コラム
2020年1月1日
「おとなう」とは、音をたてること。あるいは、訪れること。手紙を出す、という意味でも使われます。並べてみると、「おとなう」には存在を示す意味があることに気づきませんか。漢字にすれば「音なう」「訪う」「手紙」と、それぞれ違った意味で使われることが多い言葉ですが、それでもどこか通じ合う
2019年12月30日
晩秋から冬にかけて、茶室ではたびたび花と一緒に赤や黄色に色づいた葉が見られます。それが「照葉(てりは)」。寒さが深まるほどに色を変える樹々の葉が、太陽の光に照らされているのは、なんとも美しい光景です。朝日を浴びて黄金色に輝いたかと思えば、夕日に燃えるような真紅に染まる。まるで太陽
2019年12月11日
――恋せずば人は心も無らまし物のあはれも是よりぞしる(藤原俊成)本居宣長は、知人からこの歌の「あはれ」の意味を問われ、あらためて「あはれ」の意味を考えたと著書『安波礼弁』に記しています。「これまで、たびたび目にも耳にも聞こえていた「あはれ」だが、はて、なんと説明したものか・・・」
2019年12月6日
鉛色の空と、色あせたもの哀しい荒涼とした冬の景色を見ると「冬ざれ」という言葉が浮かびます。枯れがれの木々、眠りについた動物たち、大地をすべってゆく乾いた風……。冷たく深閑とした冬にしっくりくる言葉ではありませか?でも、もとは冬が来たことを表す「冬され」の「され」がにごっただけ。昔
2019年11月13日
――わが君は千世にやちよにさざれ石の巌となりて苔のむすまで(あなたには千年も八千年も、ずっと長く生きてほしい。小さな石が大きな岩になって苔が生えるまで)ご存知、わが国の国歌「君が代」の元になった『古今和歌集』第七巻、長寿や繁栄を祝う「賀歌」の代表作、「読み人知らず」の歌です。「め
2019年11月7日
星の霜と書いて「せいそう」。年月のことです。一年に天をひと回りする星と、毎年降る霜をかけあわせて、月日がたったことを表す言葉になりました。昔も今も変わらず移りゆく季節を感じるのは、自然の風物ではないでしょうか。燦々と降りそそぐ陽光がやわらぎ、肌をなでてゆく風がひんやりしてきたと思
2019年10月24日
――秋風に初雁がねぞ聞こゆるなたがたまづさをかけてきつらむ古今和歌集の選者の一人、紀友則の歌です。このときの「たまづさ」が「玉章」。手紙のことです。冬を運んでくる雁の声が秋風にのって聞こえてきたことに、思い人の訪れを重ねたのでしょうか。雁は誰の便りをもってきたのかと、待ちわびる紀
2019年10月11日
「瑠璃」とは、色ガラスの古名です。紫がかった深く濃い青色の石、パワーストーンでお馴染みのラピスラズリが瑠璃。同じくパワーストーンで人気の水晶は玻璃と言って、どちらも七宝に数えられている貴重な宝石です。瑠璃も玻璃も照らせば光る。どんな場所に埋もれていても、本物はすぐにそれとわかりま
2019年9月12日
葎(むぐら)とは、ぼうぼうと生い茂る雑草のこと。そこに、たくさんを意味する「八重」がついて「八重葎(やえむぐら)」。分け入るのもたいへんなくらい、雑草が生い茂っているのでしょう。小倉百人一首に、その様子を表す歌があります。――八重葎しげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり(
2019年8月19日
細く小さいと書いて「いさら」。「少しの」という意味を添える接続後です。そこに「波」が付いて「細小波(いさらなみ)」。小さな波かと思いきや、実は、秋の風物詩である「霧」のこと。ちょうどお盆が終わった後、七十二候では、深い霧が立つ「蒙霧升降(ふかききりまとう)」時期に入ります。この霧
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