美しい日本のことば
2018年10月20日
明鏡とは、一点の曇りもない鏡のこと。そこに静かにたたえた水が合わさり、「明鏡止水」という、邪念のない、澄みきって落ち着いた状態を表す言葉が生まれました。かつて、まだ青銅の鏡ができる前、使っていたのは水鏡でした。静かな水面であれば、はっきりとありのままの姿が映りますが、わずかな風が
2018年10月17日
白砂の上に、あたかも水が流れているかのように砂紋をつけ、大小さまざまな石を置いて山水を表現した日本庭園のひとつが枯山水。室町時代に日本最古の庭園書と言われる『作庭記』にその名が登場したのが始まりでした。「池もなく遺水もなき所に、石をたつる事あり。これを枯山水となづく」そして、座禅
2018年10月14日
陰翳とは、光の当たらない暗いところ。あるいは光がつくる影のこと。障子に映るぼんやりとした薄灯りや、窓から差し込む月あかり、ろうそくのゆらめく灯りは日本人が好む光。煌々とまばゆいばかりの電気の光よりも、なぜか心が落ち着きます。すべてをさらけ出さない、日本人の美意識の表れでしょうか。
2018年10月11日
「一家の大黒柱」と言えば、その家の主。多くは家族を養う稼ぎ頭の父親のことをそう呼びますが、共働きやひとり親など、家族のかたちがさまざまになった現代となっては、その限りではありません。語源は諸説あるようですが、その名のとおり、七福神の大黒様にゆかりがあるようです。日本家屋に見られる
2018年10月8日
白無垢姿の花嫁が、新郎以外には顔を見せないようにと被る綿帽子。姿が似ていることからたんぽぽの綿毛もそう呼びますが、もとは女性が外出するときに被る埃除けや防寒具だったとか。江戸中期以降、高貴な人の儀礼用として、今では神前挙式には欠かせないものとなりました。真っ白な綿帽子から連想する
2018年10月5日
布を染めるとき、染料に一度だけ浸すことを一入(ひとしお)といい、幾度も浸すことを八入(やしお)といいます。「八」は「多い」を、「入」は染料に浸すことを意味するのだとか。平安時代、深みある真っ赤な紅花色は貴族たちの憧れの色だったそうです。その憧れは、紅(くれない)の八塩(入)に染め
2018年10月2日
野分(のわき)とは秋、野原の草木をかき分けて吹く暴風や台風をいいますが、昨今の野分は叙情的な趣を凌駕しているようです。いにしえより日本列島は自然の恩恵を受け、また脅威にもさらされる国ではありますが、今年は自然災害によって多くの犠牲者がでてしまいました。衷心よりお悔やみ申し上げます
2018年9月26日
淑気(しゅくき)とは新春を迎えたときの、周囲に漂う清々しい空気のことをいいます。あらためて私たち日本人は、「気」という言葉に特別の意味を込めて使い分けていると感じます。「気品が漂う」「気が合う」「気がつく」「やる気がある」……。その他、空気、電気、運気、一気、気候、気功など、目に
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