コラム
2018年11月17日
 桂の影(かつらのかげ)とは、月の光、または月そのものの姿のこと。中国の古い伝説によると、月には大きな桂の木があるとされていました。影はもともと光のことで、古来より月を愛でてきた日本人は、月に心の内を重ねて歌にしました。−    月のすむ川のをちなる里なれば桂の影はのどけかるらむ
2018年11月13日
縁(えにし)の色と書いて、縁の色(ゆかりのいろ)と読みます。これは、紫色のこと。紫色で「ゆかり」と言えば、塩漬けして乾燥させた赤紫蘇(あかじそ)のふりかけがありますね。これは、その名のとおり、紫色にあてたものです。「紫」は本来、「紫草(むらさきぐさ)」のことを言います。紫草は群れ
2018年11月10日
風がわたると、ひらりとひるがえって白い葉裏を見せる葛。この銀色にかがやく秋風を「葛の裏風(くずのうらかぜ)」と言います。真夏の炎天下で、色濃い姿をあちこちで見かけるほど生育力が旺盛な葛は、秋になるとワインレッドの美しい花を咲かせます。大きな葉の裏に隠れてちらちらと小さな姿を見せる
2018年11月7日
琴線(きんせん)とは、琴や三味線、バイオリンなどの弦楽器に使われる糸のこと。それに触れると音がすることから、物事に感動する心を糸にたとえて「心の琴線に触れる」などと使われます。弦楽器を綺麗な音で奏でるには、かなり練習が必要だと言われます。初心者が弾いても、なかなか美しい音は鳴りま
2018年11月4日
美しい宝玉がふれあい、かすかな音を響かせる。そのほんのつかの間をたとえた言葉が、玉響(たまゆら)です。最初にそう捉えたのは、歌聖、柿本人麻呂。『万葉集』にこうあります。−    玉響(たまとよ)むきのふの夕(ゆふべ)見しものをけふの朝(あした)に恋ふべきものか(昨夜、ほんのわずか
2018年11月1日
木々が紅葉し、錦のように見える美しい秋を錦秋(きんしゅう)と言います。春夏秋冬、どの季節もなくてはならない大切な季節ですが、中でも実りの秋は冬を迎える前、終わりに近いもっとも大切なときだとされています。ことわざに「危急存亡の秋(とき)」とあるように、生き残るか滅びるかの瀬戸際を秋
2018年10月29日
笑顔にもいろいろありますが、ほほえみ(微笑み)ほど日本的な笑顔はないのではないでしょうか。にっこりと静かにほほえむ人を見ると、不思議とやさしい気持ちになりませんか。さりげない美しさがあり、まるで野に咲く草花か、気品漂う山百合のよう。「微笑み」は、もともと頬がゆるんだ状態を表す「頬
2018年10月26日
天つ水(あまつみず)とは、天から降りそそぐ雨のこと。古代の人たちは、日照りが続くと空を仰いで雨が降るのを待ちました。空のうえには清らかな水が讃えられていると信じていたのでしょう。天から降る雨は作物を実らせ、人々の生活を豊かにします。もともと水は雨を溜めて使ったのがはじまり。それが
2018年10月23日
朝まだき、有明、朝ぼらけ、暁(あかつき)、東雲(しののめ)、曙(あけぼの)など、日本には「朝」を表す言葉がたくさんあります。その中のひとつ、東雲は、東の空に朝日がのぼり、雲のまにまに陽の光がのぞきはじめた頃でしょうか。遠い昔、まだ篠竹を粗く編んだ網目が明かり採りだったころ、朝の光
2018年10月20日
明鏡とは、一点の曇りもない鏡のこと。そこに静かにたたえた水が合わさり、「明鏡止水」という、邪念のない、澄みきって落ち着いた状態を表す言葉が生まれました。かつて、まだ青銅の鏡ができる前、使っていたのは水鏡でした。静かな水面であれば、はっきりとありのままの姿が映りますが、わずかな風が
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