コラム
2020年3月27日
「おぼおぼ」という擬態語から派生したと言われる「朧(おぼろ)」。ぼんやりと、はっきりしない様子を表しています。ぼうっと霞みがかった月が浮かぶ「朧月夜(おぼろづくよ)」は、晴ればれとした月夜とはちがい、幻想的で、夢のなかを彷徨っているような気分になりませんか。物理学者の佐治晴夫さん
2020年3月8日
間と書いて「あわい」。古典読みなら「あはひ」。音の響きからでしょうか。「あいだ」と読むより、やわらかい感じがしませんか。日本人には馴染みの「間」は「ま」と読んで距離や間隔、あるいは時間、空間、余白などさまざまな意味を持ちあわせています。もともと「合う・会う」と字源が同じ「あわい」
2020年2月13日
日本には「たてる花」と「いれる花」があるといいます。神仏に立てて供える榊や檜、松などの常盤木が「たてる花」の原点で、この花を依代として天地をつなぎ、天と人をつなごうとする生け花の様式のひとつが、「たてはな(立花)」です。一方、「いれる花」とは、自分の好きな花を活ける「なげいれ」の
2020年2月6日
「いろは」と言えば、いろはにほへと。手習いの歌として知られる「いろは歌」は有名です。仮名47字、すべての文字を重複することなく網羅させた七五調のこの歌は、平安時代に生まれました。何かを覚えたり、習ったりと、ものごとの初歩の段階を「いろは」とあらわすのは、手習いで最初に書くのがこの
2020年1月30日
「客人」と書いて「まろうど」。古くは「まろうと」といい、「稀人(まれびと)」が変化した言葉だそう。「稀におとづれる人」「めずらしい人」という意味で使われており、日本人に「おもてなし」の心が根付いたのも、これが理由のひとつかもしれません。日本書紀の一節にも「高麗のまらひとを朝に饗へ
2020年1月21日
柳に眉と書いて、「柳眉(りゅうび)」。小筆でさっと描いたような、細くて美しい眉を、昔の人はこう呼びました。眉だけではありません。細くてしなやかな腰のことを「柳腰」、長く美しい髪は「柳髪」、細面の美しい顔を「柳顔」と、柳は美人の象徴でもあったのです。鏑木清方、上村松園などの美人画に
2020年1月10日
冬晴れの空を、冷たい風にのってちらちら舞い降りてくる雪のかけら。風花(かざはな)です。雪がみぞれやあられに変わっても、それも風花。降雪地から山麓へ雪片が吹き降り、花びらのような白いかけらが舞う、冬ならではの光景です。寒さに震えているときに白雪がちらつくと、はっとして思わず空を仰ぎ
2020年1月6日
あっちへゆらゆら、こっちへゆらゆら…。かなたこなたへ揺れ動くことを「たゆたう」と言います。漢字では「揺蕩う」。あえて意味を語らなくても、字面からなんとなくイメージが湧いてくることでしょう。それというのも、日本語の多くは自然を映しとって生まれたもの。四季折々の風物をながめ、心に感じ
2020年1月1日
「おとなう」とは、音をたてること。あるいは、訪れること。手紙を出す、という意味でも使われます。並べてみると、「おとなう」には存在を示す意味があることに気づきませんか。漢字にすれば「音なう」「訪う」「手紙」と、それぞれ違った意味で使われることが多い言葉ですが、それでもどこか通じ合う
2019年12月30日
晩秋から冬にかけて、茶室ではたびたび花と一緒に赤や黄色に色づいた葉が見られます。それが「照葉(てりは)」。寒さが深まるほどに色を変える樹々の葉が、太陽の光に照らされているのは、なんとも美しい光景です。朝日を浴びて黄金色に輝いたかと思えば、夕日に燃えるような真紅に染まる。まるで太陽
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