コラム
2023年1月21日
椿、山茶花、寒桜……、色のうすい冬に鮮やかな赤やピンクの花はとても似合いますが、白い冬の白い花は、またちがった清らかな美しさがあります。白い6枚の花弁に、黄色い盃をのせた水仙。雪に覆われた土のなかで、いちはやく春のぬくもりを感じとって小さな花を咲かせるこの花は、江戸時代までは「雪
2022年12月15日
他国語と日本語の大きなちがいといえば、漢字、カタカナ、ひらがな、ときにはローマ字と、文字の種類が多いことでしょうか。そのときどきで文字を使い分ける、世界でも稀にみる言語だと思います。とりわけ「ひらがな」と「カタカナ」は、漢字から派生した万葉仮名。日本人の心を歌った『万葉集』から生
2022年10月30日
うららかな秋、「秋麗」は「しゅうれい」とも読みますが、もうひとつの読み名「あきうらら」のほうが、なんとなく秋の風情を感じませんか。突きぬけるように青く晴れわたった秋晴れの空、黄金色の秋陽にかがやくとりどりの花葉。すべてのものがくっきりと輪郭を描きながらも、やわらかな陽射しにきらめ
2022年10月17日
さわやかな風、さわやかな青年、さわやかな味……。「さわやか」という言葉には、どこか青い、ミントの香りのような、すっきりさっぱりとした、切れ味の良さを感じます。「爽快」という言葉が示す、清々しく気もちのいいイメージ。だからなのか、「さわやか」は「若さ」の象徴のような気がします。とは
2022年9月26日
真っ赤だな真っ赤だなつたの葉っぱが真っ赤だなもみじの葉っぱも真っ赤だな……童謡『真っ赤な秋』の影響でしょうか。「もみじ」と聞くと、赤く色づいた楓の葉が浮かびます。幼い頃は、これだけが「もみじ」だと思っていましたが、ちがうのですね。「もみじ」というのは「もんで色を出す」「色を揉み出
2022年9月14日
――月のごと大きな玉の露一つ(高浜虚子)夜空に浮かんだ満月が、大きな露玉に見えたのでしょう。露は別名「月の雫」。夜の気配の残るしっとりとした朝。草や葉のうえできらきら光る円い露は、あまりに清らかで、夜のうちに月がおとしていった雫だとしても不思議ではありません。むしろそのほうが、ぴ
2022年8月29日
言葉とはふしぎなもので、使い方、語り方で、その意味も雰囲気もガラッと変わってしまいます。「浮き橋」とは、水上に筏や舟をならべて、その上に板を渡した仮の橋のことです。思い出されるのは『源氏物語』の最終巻「夢浮橋(ゆめのうきはし)」でしょう。尼になった浮舟と薫の美しくも悲しい恋の物語
2022年8月16日
――夕やけ小やけのあかとんぼおわれて見たのはいつの日か……童謡『赤とんぼ』の歌は、日本人であれば一度は口づさんだことがあるのではないでしょうか。作者の三木露風の故郷、兵庫県たつの市は赤とんぼのふるさと。絶滅の危機に瀕している日本固有種のアキアカネを守り、増やす活動に力を入れている
2022年7月28日
「空蝉(うつせみ)」といえば、『源氏物語』を思い浮かべる人も多いでしょう。衣だけを残して姿を消した空蝉の女房に、光源氏が送った歌はみごとでした。――空蝉の身をかへてける木のもとになほ人がらのなつかしきかな蝉が抜け殻を残して去ってしまったあとの木の下で、もぬけの殻となった衣を残して
2022年7月12日
「潮が騒ぐ」と書いて「しおさい」。海水が満ちるときの、波立つ音をこういいます。英語では「thesoundofthewaves(sea)」。波や海の音をそのまま表現します。日本語は「雨脚」や「火の手」「波頭」など、自然やモノを擬人化することがよくあります。海の音は母親の体内で聞く音
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