コラム
2020年1月21日
柳に眉と書いて、「柳眉(りゅうび)」。小筆でさっと描いたような、細くて美しい眉を、昔の人はこう呼びました。眉だけではありません。細くてしなやかな腰のことを「柳腰」、長く美しい髪は「柳髪」、細面の美しい顔を「柳顔」と、柳は美人の象徴でもあったのです。鏑木清方、上村松園などの美人画に
2020年1月10日
冬晴れの空を、冷たい風にのってちらちら舞い降りてくる雪のかけら。風花(かざはな)です。雪がみぞれやあられに変わっても、それも風花。降雪地から山麓へ雪片が吹き降り、花びらのような白いかけらが舞う、冬ならではの光景です。寒さに震えているときに白雪がちらつくと、はっとして思わず空を仰ぎ
2020年1月6日
あっちへゆらゆら、こっちへゆらゆら…。かなたこなたへ揺れ動くことを「たゆたう」と言います。漢字では「揺蕩う」。あえて意味を語らなくても、字面からなんとなくイメージが湧いてくることでしょう。それというのも、日本語の多くは自然を映しとって生まれたもの。四季折々の風物をながめ、心に感じ
2020年1月1日
「おとなう」とは、音をたてること。あるいは、訪れること。手紙を出す、という意味でも使われます。並べてみると、「おとなう」には存在を示す意味があることに気づきませんか。漢字にすれば「音なう」「訪う」「手紙」と、それぞれ違った意味で使われることが多い言葉ですが、それでもどこか通じ合う
2019年12月30日
晩秋から冬にかけて、茶室ではたびたび花と一緒に赤や黄色に色づいた葉が見られます。それが「照葉(てりは)」。寒さが深まるほどに色を変える樹々の葉が、太陽の光に照らされているのは、なんとも美しい光景です。朝日を浴びて黄金色に輝いたかと思えば、夕日に燃えるような真紅に染まる。まるで太陽
2019年12月11日
――恋せずば人は心も無らまし物のあはれも是よりぞしる(藤原俊成)本居宣長は、知人からこの歌の「あはれ」の意味を問われ、あらためて「あはれ」の意味を考えたと著書『安波礼弁』に記しています。「これまで、たびたび目にも耳にも聞こえていた「あはれ」だが、はて、なんと説明したものか・・・」
2019年12月6日
鉛色の空と、色あせたもの哀しい荒涼とした冬の景色を見ると「冬ざれ」という言葉が浮かびます。枯れがれの木々、眠りについた動物たち、大地をすべってゆく乾いた風……。冷たく深閑とした冬にしっくりくる言葉ではありませか?でも、もとは冬が来たことを表す「冬され」の「され」がにごっただけ。昔
2019年11月13日
――わが君は千世にやちよにさざれ石の巌となりて苔のむすまで(あなたには千年も八千年も、ずっと長く生きてほしい。小さな石が大きな岩になって苔が生えるまで)ご存知、わが国の国歌「君が代」の元になった『古今和歌集』第七巻、長寿や繁栄を祝う「賀歌」の代表作、「読み人知らず」の歌です。「め
2019年11月7日
星の霜と書いて「せいそう」。年月のことです。一年に天をひと回りする星と、毎年降る霜をかけあわせて、月日がたったことを表す言葉になりました。昔も今も変わらず移りゆく季節を感じるのは、自然の風物ではないでしょうか。燦々と降りそそぐ陽光がやわらぎ、肌をなでてゆく風がひんやりしてきたと思
2019年10月24日
――秋風に初雁がねぞ聞こゆるなたがたまづさをかけてきつらむ古今和歌集の選者の一人、紀友則の歌です。このときの「たまづさ」が「玉章」。手紙のことです。冬を運んでくる雁の声が秋風にのって聞こえてきたことに、思い人の訪れを重ねたのでしょうか。雁は誰の便りをもってきたのかと、待ちわびる紀
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