コラム
2021年8月1日
夏といえば海、山、そして雲。夏の風景には、必ずと言っていいほど入道雲が登場します。この入道雲が「雲の峰」。遠く空をのぞむと、まるで巨人が立ち上がるように、もくもくと雲が湧き上がっています。その様子はまさに高くそびえる山の頂。思えば、夏の山も入道雲を背負っています。真夏の海の向こう
2021年7月10日
日本の代名詞とも言われる「おもてなし」。相手を思いやり、慈しみの心でお迎えする。客人へのあたたかい心配りが「おもてなし」の基本ですが、一歩間違えると、心配りが過剰になったり、客人の言いなりになってしまうこともあります。そもそも「もてなし」の「もて」は動詞の上に置いて、対象を大切に
2021年6月21日
画家の造語でしょうか、川合玉堂の代表作に『彩雨(さいう)』という雨にけぶる紅葉の風景を描いた作品があります。色のないはずの雨に色を見て、紅く色づくもみじの山里に彩雨を降らせています。『万葉集』の中にも、それと思わせる歌があります。 ――しぐれの雨間なくしふれば三笠山木末(こぬれ)
2021年6月8日
銀舎利とは、ご飯、白米のことです。寿司屋でなじみの「シャリ」は酢飯ですが、そもそも「舎利(シャリ)」は仏舎利といって、お釈迦様の遺骨をあらわす仏教用語。それが白米の隠語になったのは、日本人の神々への信仰心の表れでしょうか。たしかに、炊きたてのつややかな白いご飯は神々しさを感じます
2021年5月12日
「玉の緒」とは、いのちのことです。玉は魂をあらわし、緒は肉体と霊魂をしっかりつなぎとめる紐のこと。つまり、心と体がひとつになった生命体が「玉の緒」です。もとは宝石をとおす紐や、玉飾りそのものを玉の緒といったそうで、それを「いのち」とすれば、生命が宿った形は勾玉(まがたま)のように
2021年4月25日
「踏青(とうせい)」とは、文字どおり青きを踏む。春先の萌え出た青草を踏んで野山を歩き遊ぶことですが、「野遊び」と書くのとは趣がちがい、踏青とすれば、素足からじかにやわらかな草の感触が伝わってくるような気がしませんか。春の季語になるのもうなずけます。もとは中国にあった風習。それが日
2021年4月1日
うららかな春の陽射しの中をそよ風が吹きぬけると、あたり一面がキラキラと光り輝いて見えます。それが「風光る」。春の季語です。まるで風が光そのものであるかのように、春風は光に満ちています。 ――日の春のちまたは風の光り哉(暁台) 晴れやかな春の日に賑わう町は、まるで風もきらきらと光っ
2021年3月27日
――つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ 兼好法師の『徒然草(つれづれぐさ)』、序文冒頭の「つれづれなるまゝに」は有名ですね。日常のふとした瞬間に、つい口ずさんでしまいそうな「つれづれ」は「徒然
2021年3月13日
漢字で書くと「愛しい」。愛しい我が子、愛しい人と、言葉ではうまく言い表せない切ない思いを、人はいつからか「いとしい」と言うようになりました。もとは幼児への愛情から、か弱く頼りなげで痛々しい、あわれでかわいそうなどと、気の毒がる様子でしたが、やがて「かわいい」「恋しい」「慕わしい」
2021年2月28日
美人=姿形の整った見目麗しい美しい女性。これが一般的な「美人」のイメージでしょうか。時代を象徴する美しい女性たちを描いた美人画や、文学、写真、映像といった芸術作品の多くが、「美人とはこういう女性」と定義づけていることもイメージづくりに一役買っているかもしれませんね。しかし、美人と
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