コラム
2019年3月16日
あたたかくなったかと思えば、また寒くなる。春の風物詩、三寒四温です。北上してくる南からの春の気配に、冬将軍が最後にひと暴れするのでしょう。とはいえ、春の陽気にはさすがの冬将軍もお手上げのよう。春と冬とのせめぎ合いは、春に軍配が上がります。あたたかい春の訪れは、生きとし生けるものの
2019年3月12日
春。山がいっせいに笑い始めます。厳しい冬を乗り越え、ようやく訪れたあたたかい風がうれしいのでしょうか。深い深い眠りから目覚めた、植物たちの芽吹きの春。その山の様子を「山笑う」と言います。生まれたばかりの若葉や花々の色は、ほんのりと淡く、やわらかい。大笑いというより、恥ずかしそうに
2019年3月1日
日照り雨と書いて「そばえ」と読みます。その名のとおり、日が照っているのに、とつぜん降り出す雨のこと。「通り雨」や「狐の嫁入り」とも言いますが、今でも田舎の方では急に雨が降り出すと、「そうばいじゃ」と言うお年寄りもいるのだとか。「そうばい」とは「そばえ」がなまった言葉。ふざけるとい
2019年2月22日
縁側や戸口に立って、今か今かと待ちわびたあとにようやく姿を見せる、立待月(たちまちづき)。満月の夜のあと、少しひかえめに影をさして出てきます。陰暦17日の月を、とくに、陰暦8月17日の月やその夜のことをそう呼ぶのだそう。季語で言えば秋になりますが、月をながめるのは季節問わずいいも
2019年2月18日
やわかぜとは、やわらかで、おだやかな風のこと。のどかな春の風です。漢字で書くと「和風」。そう、日本的なものをさす「和風(わふう)」と同じ。私たち日本人からすれば、日本的であったり、和風であるのは当然のこと。日本に生まれ、日本の風土に根付いた文化の中で生きていれば、自ずとやわかぜを
2019年2月6日
古い書物でよく見かける「一寸」。「ちょっと」と読みます。文豪たちが好んで使ったようですが、これは当て字。あっという間に過ぎ去るからでしょうか、「鳥渡」と書いても「ちょっと」と読むのだとか。一寸は、長さで言えば3.03センチメートル。尺の10分の1の長さです。一寸と言えば、昔話の「
2019年1月23日
種にもいろいろありますが、この種ほど楽しい種はないのではないでしょうか。「遊び種」とは、遊び相手や遊びの材料のこと。このときの「種」は「くさ」と読んで「あそびぐさ」です。木登りをしたり、木の枝でチャンバラをしたり、野の花を編んで首飾りや冠を作ったり、草で料理のまねごとをしたりと、
2019年1月14日
「彼は誰?」その昔、人の顔がよく見えない時刻にそうやって訪ねていたそうです。転じて、薄暗い朝方や夕方のことを「かはたれ時(彼は誰時)」と言うように。のちに「誰?彼は(たれそかれ)」と、言葉を反転させた「黄昏(たそがれ)」が夕方を、朝方を「かはたれ時」と使い分けるようになりました。
2019年1月7日
愛日(あいじつ)とは、冬の日差しのこと。中国の古書『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』にある「冬の日は愛すべし」からきた言葉です。冷たい冬をひととき忘れさせてくれるあたたかい日差しは、たしかに愛すべき日の光ですね。愛日の恩恵を一番いただいているのは猫でしょうか。冬空の下、日時計
2019年1月1日
真っ白い雪のうえに、ほのかに浮かび上がるピンク色。もうそこまで春がきているのだと、梅の花はまっ先にその時を知らせてくれます。雪をかぶった梅の花のように、紅色の衣に白い衣をかさねた色を「雪の下(ゆきのした)」と言います。このかさね色を見ると、川端康成の『雪国』のワンシーンを思い出し
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