美しい日本のことば

瑠璃

2019年10月11日

「瑠璃」とは、色ガラスの古名です。紫がかった深く濃い青色の石、パワーストーンでお馴染みのラピスラズリが瑠璃。同じくパワーストーンで人気の水晶は玻璃と言って、どちらも七宝に数えられている貴重な宝石です。

 

 瑠璃も玻璃も照らせば光る。
 

 どんな場所に埋もれていても、本物はすぐにそれとわかります。優れた素質や才能のある人がどこにいても目立つのは、瑠璃や玻璃のように内面から輝くオーラを放っているからでしょう。
 

 メーテル・リンクのおとぎ話「青い鳥」で、チルチルとミチルが探しに出かけた幸せの青い鳥は、瑠璃鶲(ルリビタキ)というヒタキ科の小さな鳥だという説も。その名のとおり、鮮やかな美しい瑠璃色の躰は、どこにいても人目を引きます。
 それほど目立つ鳥なのに、チルチルとミチルはなかなか見つけられず、結局、青い鳥は自分たちの一番近い場所にいたことに気づくのです。

 

 幸福は遠くにあるのではなく目の前にある。一人ひとりが宝の原石であって、磨けば瑠璃や玻璃のように美しく輝けるということですね。

(191011第54回)

著者:神谷真理子

兵庫県姫路市出身。もの書き。
Chinomaサイトの「ちからのある言葉」、雑誌『Japanist』取材記事、保育園幼稚園関連の絵本など執筆。詩集『たったひとつが美しい』(神楽サロン出版)

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