美しい日本のことば

やわかぜ

2019年2月18日

 やわかぜとは、やわらかで、おだやかな風のこと。のどかな春の風です。漢字で書くと「和風」。そう、日本的なものをさす「和風(わふう)」と同じ。
 私たち日本人からすれば、日本的であったり、和風であるのは当然のこと。日本に生まれ、日本の風土に根付いた文化の中で生きていれば、自ずとやわかぜをまとっていることでしょう。
 

 ユーラシア大陸の東端に位置する日本には、西方からさまざまな文化が流れ着いています。宗教や哲学はもちろん、芸術や食など、もともとあった文化とまじりあい、現在のような独特な日本文化を生み出しました。

 風に運ばれてきた種が、日本の大地に根付き、日本の気候風土にあったものだけが花を咲かせたのでしょうか。
 

 朔風、時津風、花風、恵風、颶風、扇子の風、神風……と日本の大地に吹き付ける風はさまざま。四方八方からの風は、人も文化も強くしなやかに育てるのでしょう。
 いろいろな国のものを受け入れ、なんでも和風にしてしまうのは、日本人の強さとやわかぜの賜物なのかもしれませんね。

(190218 第32回)

著者:神谷真理子

兵庫県姫路市出身。もの書き。
Chinomaサイトの「ちからのある言葉」、雑誌『Japanist』取材記事、保育園幼稚園関連の絵本など執筆。詩集『たったひとつが美しい』(神楽サロン出版)

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