コラム

草子

2018年11月21日

 草の子と書いて「草子(そうし)」。冊子や草紙、双紙など、綴じ本のことです。一般的には随筆や挿絵入りの小説などの読み物を指しているようで、『絵草紙』や『御伽草子(おとぎぞうし)』などはよく知られています。
 もっとも、草子と言えば、「春はあけぼの……」ではじまる清少納言の『枕草子』が思い浮かぶのではないでしょうか。元祖、女性随筆家とも謳われている清少納言は、紫式部とならぶ才女。エッジの効いた言葉運びは男性的でもあり、その表現力は驚くばかりです。

 

「うつくしきもの」「にくきもの」「日は 入日……」「月は 有明の……」「星は すばる……」「雲は 白き……」

 

と、何気ないものを特別なものとして書き留めています。

 

 とりとめのないことを書いた書物のことを「草子」とする一方、学術的なお堅い書物は「物の本」。

 どちらも本にはちがいありませんが、踏まれても踏まれても何気ない顔で力強く生きる草のように、軽やかな言の葉をちらした草子は、なんとなく親近感がわきますね。
(20181121 第18回)

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