コラム

天つ水

2018年10月26日

 天つ水(あまつみず)とは、天から降りそそぐ雨のこと。古代の人たちは、日照りが続くと空を仰いで雨が降るのを待ちました。空のうえには清らかな水が讃えられていると信じていたのでしょう。
 

 天から降る雨は作物を実らせ、人々の生活を豊かにします。

 もともと水は雨を溜めて使ったのがはじまり。それが雨水(天水)になって川となり、地面にしみては地下水になり、井戸の汲み水、湧き出れば湧き水と、地上全体を潤すのです。

 そしてまた、穏やかな天水はときに牙をむき、人々の生活を脅かせもします。
 

 緑豊かで水源に恵まれた日本はとくに、古来より、すべての計らいは天にあると信じてきました。
 形を変え、姿を変えて私たち生物を生かしてくれる清らかな水は、まさに天の化身なのでしょう。
(20181026 第10回)

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